アンティーク家具 ドローリーフテーブルの修復 その2

こんばんは。

前回はアンティーク家具 ドローリーフテーブルの修復の締めまでお話しました。

今回はその続きです。

締めは終わりましたが
組んである所が少し欠損気味だったので
より強度を出すためダボ(木の丸棒)を補強として
長めに入れます。
だいたい25センチぐらいでしょうか。
ダボを入れる穴をドリルで開けます。

ダボを入れるときは
当然木工ボンドをつけて入れます。
ダボを金槌で叩きいれていきます。
奥まで入れたらのこぎりでカットします。
カットするときも木部を傷つけないように慎重にカットします。

カットしたら1日おき十分に乾いたら
塗装作業を始めます。

この中天板はお客様の希望で塗装は手をつけないということでしたので
ダボを入れたところだけの塗装作業です。
こうした場合艶を出しすぎたり、
質感が変わってしまったり、
塗装した部分だけきれいになり過ぎないように注意が必要です。
これが腕の見せ所です。

周りとの質感、色を合わせていきます。

乾いたらワックスをかけて終了です。

内訳は

フレーム締め直し 20分 
ダボいれ     20分
再塗装      20分

実作業で1時間です。

料金は5250円+出張料525円=5775円(税込み)です。

参考にして下さい。

今日はこの辺で。
それではまた


アンティーク家具のドローリーフテーブル天板の緩み、締め直し修理です。

こんばんは。

すっごくご無沙汰していました。
いつものことですが忙しくて・・・

では
今日はアンティーク家具 ドローリーフテーブルの修復です。
ドローリーフテーブルとは
天板が伸長式の事をこう呼びます。

今回のご依頼はドローリーフテーブルの天板は中天板、リーフ天板2枚の
計3枚ですが
今回のご依頼は中天板のフレームの緩み(割れ)の修復です。

次の2枚の画像を見てもらうと分かるように
中天板の両サイドのフレームが緩んできてしまっているのです。

ドローリーフテーブルをお使いの方は分かるかもしれませんが
この両サイドのフレームに手を付くことが多く
緩みが出やすい所ではあります。

まずは緩みをとめなくてはいけませんので
天板をひっくり返して裏側から
木部をいためないように当て木をして叩いてはずします。

外れたら残っているノリ、埃、ごみをきれいに取り除きます。

画像を見て分かるように中天板の裏側にはリーフの出し入れの際に
リーフの天板面にキズが付かないようにフェルトが貼ってあります。
これがアンティークのままのよれよれのフェルトであったり、
貼っていなかったり、フェルトにごみやノリが付いてしまっていると
せっかくのリーフの天板面にキズをつけてしまうことになります。
ドローリーフテーブルをご購入される際は必ず中天板をひっくり返してフェルトの状態をみる事を忘れないで下さい。

接合面がきれいになったら
木工ボンドを入れ
はたがねでしっかりと締めます。

1日はたがねをかけたまま乾燥させます。

今日はここまでで。
次回も続きをお話したいと思います。

インフルエンザの話題があまり大きく取り上げられませんが、
私のすぐ近くでも流行ってきています。
皆さんも注意してくださいね。

それではまた。

 


アンティーク家具の引き出しの塗り替え その2

こんばんは。

日本のすべての杉、切ってください!!!!
かいーです!!!
むずむずしすぎです!!!
直す方法誰か見つけてーーーー!!!

今日はひどかったです、、、

さて今日は前回の続きで
アンティーク家具の引き出しの塗り替えの続きです。

劣化した塗装面を取り除いた後
240番のオービタルペーパーで全体をサンディング(均す)します。
ペーパーでサンディングをかける際に
木目に平行にかけます。
間違っても木目に垂直にかけたりしないように。傷になります。

サンディング後、埃を取り除き
オイルステインをムラなく塗り
しっかりとふき取ります。

今回入れたオイルステインはダークオークです。
剥がす前のオリジナルの塗面が濃い色なので濃い目のステインを入れます。
当然薄い色の場合はライトオークやミディアムオークのような薄い色を入れなくてはいけません。

薄いオイルステインを入れるとオリジナルより濃くなってしまう場合は
オイルステインは入れずにシェラックニスを塗ります。
シェラックニスを入れて塗面を作ってあげることでオイルステインの染み込みを防ぐことができるのです。

すべてのアンティーク家具の塗り替えの際にオイルステインを入れるわけではないのです。

オイルステインが乾いたら
シェラックニスを刷毛で塗ります。

この1回目のシェラックニスが乾いたら
この後何度かシェラックニスを塗り、乾かすという工程を繰り返していき、
下地をしっかり作ります。

シェラックニスを重ねて塗っていくことで
深みが出てきます。

ただ大幅に色が濃くなるわけではありません。
シェラックニスを塗り重ねることで色が合うものもありますが
濃い色のアンティーク家具には色がなかなか近づきません。

そこでオイルステインの登場です。
基本的にオイルステインは塗ったらふき取る工程をしなくてはいけませんが
色を濃くするためのテクニックとして

オイルステインのタンポ刷りをします。

このオイルステインのタンポ刷りとは
いつもは完全にふき取るオイルステインを布でムラなくのばし、少し残しておくということです。

わかりづらいですか?

オイルステインをムラなく残しておくことで濃さを出すことができるのです。


この写真のように
シェラックニスを入れただけの画像と比べて濃さ、赤み、深みが出ていると思います。(わかりづらいですかね)

このタンポ刷りがものすごく難しいのです。

色の濃さや赤味やオレンジ味、深みなどオイルステインの種類、何種類かのの配合、残し加減によってそのオリジナルの色にあったものを作り出す技術は必要です。

これを習得するには何千点もの家具を直して初めて得られるものではないかと。(ちょっと自慢してしまいました、、、)

タンポ刷りだけではなくシェラックニスの色を変えたり、シェラックニスの合間にステインを入れたりと、色を作っていく過程は無数にあります。

こんな便利なタンポ刷りですが気をつけなくてはいけない重要な事があります。

タンポ刷りをやったときにはその上にしっかりとした塗面を作らないと
少し擦っただけで色が剥げてしまいます。
シェラックニスを重ねてしっかりと塗面をつくります。

ここで塗面を作る安易な方法があります。

ラッカースプレーを吹いてしまうことです。

ラッカースプレーで塗面は作れます。シェラックニスとの相性が悪いわけでもありません。

ですがせっかくここまで”修復”をしてきたのにラッカースプレーを吹くことで”修理”に成り下がってしまいます。

天然塗料を使ってきたのに台無しです。

私は最後までシェラックニスで仕上げます。

アンティーク家具にラッカースプレーを使うのは邪道です。

せっかくのアンティーク家具の風合いを損ねてしまうのです。

前にもお話しましたが
ラッカーやウレタンなどは塗装が劣化してくるとぽろぽろと剥がれ落ちていくのに対しシェラックは色が落ちていく過程、艶の変化が楽しめるのです。これがあるからアンティークはいろいろな表情を持って現代まで引き継がれてきているのです。

皆さんがアンティーク家具を購入する際にラッカースプレーを仕上げで吹いていないか必ずショップに確認してください。

完全に乾いたら
ワックスをかけて終了です。

内訳は

劣化した塗装の剥がし 15分 
再塗装(乾燥時間は含めません) 40分

実作業で1時間です。

料金は5250円+出張料525円=5775円(税込み)です。

参考になりましたでしょうか。

次回をお楽しみに。

それではまた。