アンティーク家具のカウチ(ソファ)の脚折れ修復です。

こんばんは。

今日はアンティーク家具のカウチの脚折れ修復のご依頼です。

代官山にオープンするお店からのご依頼です。
アンティーク家具のカウチの生地を張り替えたものを
輸入したのですが開梱してみたらこの状態だったとのこと。

きれいに張り替えた生地ですので慎重に作業しなくてはいけません。
割れの様子を確認すると接着して、補強を入れれば何とかなりそうです。

まず割れをしっかり接着します。
割れているところを段差ができないように締めたいのですが
折れてしまった状態で展示してしまっていたようで割れがずれてしまっていてしっかり締めても段差ができてしまう状態です。

本来は削らずにいかなくてはならないのですが
そのような状態ですのでお客様の了承を得てから削りを最小限に留められるように慎重に締めます。

割れの奥まで木工ボンドをいきわたらせることが重要です。
割れの付近だけでは十分な強度が出ません。

木工ボンドを入れてしっかりと固定するために数日間締めたままにしておきます。

数日後
はたがねを外して接着されているかを確認。
確認ができたら段差を少し必要な分だけ削りフラットな状態にします。

その後 リタッチ をして色を合わせて
シェラックニスで質感をあわせます。

乾燥したらビーズワックスをかけて終了です。

 

 

今回は作業の工程上2回お伺いしました。

今後もお付き合いさせていただくことができるようなのでうれしい限りです。

せっかく春なのになんだか最近冬みたいですね。
早くあったかくなって私の大好きな野球観戦を気持ちよくしたいものです。

そうそう
アイアム ケイ イガワ君ことヤンキースの井川君が初勝利をあげましたね。
いやいやよかったです。
松坂はいいピッチャーですが今年は10勝10敗と見ています。
活躍は来年でしょう。

井川は今年結構活躍すると思います。
15勝9敗ぐらいでしょう。
別に解説者ではないので根拠はないですが・・・

大リーグばかりでなく日本のプロ野球も楽しいですよ。
巨人戦なんて中継してるから野球人気が落ちたなどといわれるのです。
はっきりいって巨人はもう不要です。
面白い試合はパリーグ、セリーグたくさんあります。
それを放送すればみんな見ます!!!
いい加減それに気が付きましょう。

今日はこの辺で。
次回もお楽しみに。


アンティークデスクの修復 その8

こんばんは。

ご無沙汰しておりました。
何かと忙しいもので・・・
貧乏暇なしとはよく言ったものです・・・

今日は
アンティークデスクの修復 その8 です。

前回までに本体の塗装は終了しました。

天板面に限らず、塗装を一度剥がして再塗装するときは
基準となる色が仕上がっていることが不可欠です。

そうしないと天板はきれいに仕上がっても色や質感が微妙に合わなくなることがあります。

それを防ぐためにまず本体を仕上げて色、質感を確かめてから天板の塗装に入る必要があるのです。


天板は大きく割れていて、接ぎ直しました。

その際段差が出ないように矯正しながら接ぎ直すことが重要です。

間違っても、削る事を前提に段差をそのままにしておいたりしないで下さい。

アンティークの修復においては現状を生かすことが重要です。
削りをやらなくて済むようにする事が当たり前なのです。

天板の荒れた塗装を メス を使ってスチールウールできれいに取り除きます。

現状を生かすといっても明らかに塗装が劣化しているのに
オリジナルを生かしたといってその上から塗装してしまったり、ワックスのみ、乾拭きのみなどはもってのほかです。

残念ながらそんなアンティークショップも中にはあります・・・

塗装が劣化してしまっているのですからその上から塗装を施しても劣化している塗装面ごと剥がれてきてしまうのです。ワックスで仕上げたり、乾拭きのみで仕上げても同じことです。

きれいになったら
サンドペーパーとケンマロンで均します。

その後、本体にあわせてオイルステイン選択し、入れてきれいにふき取ります。

幸いこのデスクの場合はオイルステインを入れたところで本体の色に近づいたので工程としては微妙な色あわせと質感を合わせていきながらシェラックニスを塗り重ねていきます。

天板の塗装の乾燥待ちの間に
本体の最終調整を行います。


引き出しのすべりは木工作業の際に確認してあります。

ただ木は磨耗してしまうものです。

その磨耗を防ぐために いぼた という蝋を本体の引き出しのレールに塗っておきます。

そうすることで引き出しとしての機能を向上させ
木の磨耗を防ぐ重要な作業です。

いぼた は3ヶ月に一度くらいにやっておくと良いと思います。

かんたんメンテナンスとして出張修復してやっておりますので
是非ご利用下さい。詳しくはHPをご覧下さい。
宣伝でした。


引き出しの側面も同様です。

最終チェックで問題がなければビーズワックスをかけます。

スチールウールに適量をつけてのよく伸ばしながらかけてきれいなウエス(布)で拭き残しのない様にしっかりふき取ります。

ビーズワックスの説明は以前にした?と思うので省略しますね。
簡単に言うと蜜蝋から作ったワックスですので有害なものは含まれていないものです。

引き出しの中も当然ワックスをかけます。

ワックスをかける利点も以前説明したと思います。
簡単に言えば塗装面のざらつきを取り、艶を落ち着かせ、塗装面の保護をする役割です。


これで完成です。
お客様に納品した写真です。

喜んでいただけて大変うれしく思います。

さて
内訳は

天板割れ修復 90分 
引き出し底板交換 60分
引き出し調整 30分
全体の締め直し 60分
全体塗装 60分 

実作業で5時間です。

料金は最初の1時間が出張料込みで8400円+21000円(5250円×4時間)+出張料(納品時)3000円=32400円(税込み)です。

参考にして下さい。

今回はこの辺で。
また次回をお楽しみに。

花粉症の皆さんまだまだ花粉はひどいですががんばりましょう。


アンティークデスクの修復 その7

こんばんは。

今回はアンティークデスクの修復 その7です。
前回はリタッチをした所までお話しました。

今日はシェラックニスを塗っていきます。

容器にシェラックニスを入れメスを少しだけ入れます。
刷毛を使って塗りますが、刷毛の毛が抜けないようによくしごいてから使います。そうしても刷毛の毛が抜けてしまうことはあるのでその都度取り除きながら塗っていきます。

刷毛にシェラックニスを適量につけ(これが結構難しいです)
木目に沿ってムラなく塗っていきます。
細かい所にしっかりシェラックニスを塗っていくことが必要です。
塗り忘れのないように確認します。

引き出しの底は交換したので無塗装の状態です。
しっかり塗装面を作っていくために何回か塗り重ねます。
当然塗り重ねるのは乾いてからです。

引き出しの半分だけシェラックニスを塗った状態です。
シェラックニスはそれだけで少しの色を出しますのでシェラックニスのみで仕上げてもいい風合いが出ます。

ライトオーク色のアンティーク家具、例えばチャペルチェアなどは
オイルステインを入れずに、シェラックニスだけで仕上げます。
薄い色のアンティーク家具にはシェラックニスの色も気を使わなくてはいけません。シェラックニスだけでも若干の色が付いてしまうわけですから薄い色の家具には風合いを損ねないように無色か薄い色にあったシェラックニスを塗らなくてはいけません。


引き出しの内部全体に塗装を入れます。

リタッチをした部分は取れないように
慎重に塗っていきます。
刷毛で何度もリタッチ部分を塗っているとリタッチが取れてしまうことがあるので注意が必要ですね。

脚全体を
ムラなく、塗り残しのないようにしっかり塗ります。
刷毛になれていない方は刷毛の線(刷毛ムラ)が付いてしまうので
つかないようにするのはすごく難しいのです。

脚が仕上がったら
次回は天板の塗装に入ります。
お楽しみに。