アンティーク家具のブックケース(本棚)の鍵修理です。

こんばんは。

お客様よりお問い合わせメールが昨日夜にありました。

その内容は
ブックケースの鍵が開かなくなって中のものが取り出せなくて困っているとの事でした。

購入したアンティークショップに問い合わせた所
3月下旬まで手が回らないので待って欲しいと言われたそうです。

なぜ?
忙しいとそんなに待たせてよいのでしょうか?

仮にも自分の商品を購入していただいたお客様に対して
あまりにも粗雑な扱いですよね。
そんなことではお客様が離れていくのに・・・

購入したことがある別のアンティークショップにも問い合わせた所
色よい返事がいただけなかったようです。

その理由は自分の所で購入していない商品の直しはできないというのです。

なぜ自分の所で売った物しか修理してくれないのですかね?
非常に不思議です。

売りっぱなしで古くなったら新しいものを勧める、そんな売り方でよいのでしょうか?

少なくとも購入した方はそのアンティーク家具が気に入って購入し、
使い込んで不具合が出てきたから修理をお願いしたいと、
困っているとお客様が言っている以上それに答えることが売った者の責任ではないでしょうか?

私はどこのアンティークショップで買ったものであろうと関係ありません。
お客様が直して使いたいと言っている以上、できる限りそれを叶えてあげたいと考えています。

前置きが長かったですが

とにかく鍵が開かないのでなんとかして欲しいとの事でした。
お客様の家で確認したところ鍵が引っかかっているようです。

ブックケースやキャビネットなどの観音開きのものでよくおきるのが
置きぐるいというものです。

前面が大きな開口部になっているので躯体が床の状態によって歪んでしまい
鍵が正常に機能しなくなったり、扉が当たってしまったりするのです。

このお客様の場合も置きぐるいのため鍵が機能しなくなっていました。
それに機能しなくなっている鍵の内部も心配です。

しかし確認するには扉を開けなくてはいけません。

歪んで開かなくなったのですから、歪んでしまったのと逆の方向に歪ませてあげれば、、、

あら不思議!!!
扉のストッパーがはずれスーッと扉が開きました。

さてここからが本番です。
鍵のシリンダー(本体)がどうなっているのか確認しなくてはなりません。
シリンダーにキーを差し込んで何回か回しているうちに
シリンダー内の支柱が外れかけているのに気が付きました。
もしやと思いもう少し回していると案の定、その支柱は外れてしまったのです。この場の作業では音が出てしまうのため
お客様に了承を得て、持ち帰って修理することにいたしました。

持ち帰った鍵の様子はこんな感じです。

鍵の出たり、引っ込んだりするベロが斜めのなってしまい
内部のばねが完全に外れてしまっている様です。
このままでは直せないので一度蓋をはずします。

右上に見ている小さい支柱が外れてしまった為に鍵の内部がばらばらになってしまったのです。
この支柱をベースの部分に取り付けなくてはいけません。

元々古い鍵は溶接はせず、接合部の先を叩いて金属を広げてくっつけて取れないようにしているものが多いので、この鍵もそういう構造でした。(分かりにくい説明ですかね・・・)

まず支柱が抜けてしまったということはその支柱が入っていた穴が広がってしまったということです。広がったといっても盛りがって支柱が外れてしまったなら良いのですが、今回は穴が広がって外れてしまったのでかなり厄介です。

叩いてベースの接合部を平らにします。
盛り上がって外れたのであればこれで支柱より穴の口が狭くなって支柱を入れて叩けばそれで直るのですが・・・
穴が広がってしまっているのを小さくすることは難しく・・・
でも何とか支柱を叩きいれて固定することに成功しました。

その日のうちに、お客様に修理できた旨を報告し、納品に向かうことにしました。
ご自宅に到着し、鍵を取り付けましたが、何か少し嫌な予感が・・・
やはり支柱が外れてしまったのです。
広がった穴を小さくするのは難しかったようです。

お客様のご説明し、直すなら今後壊れないようにして欲しいということでお客様の了解を得て、シリンダーの交換をさせていただくことになりました。
念のため替えのシリンダーを持ってきていたのでそれと交換です。

替えのシリンダーの方が少し大きかったため扉の鍵の掘り込みをノミを使って大きさに合わせて掘り込みます。

シリンダーのベロも元の物よりも厚みがあったので
反対側のベロの受けも掘り込みます。

シリンダーを取り付け、鍵の開閉を確認したら、掘り込んだ所にオイルステインで着色します。

これで作業は終了です。

 

お客様にお時間を取らせてしまったのに、おいしいコーヒーをご馳走になり
すごくうれしかったです。

ありがとうございました。

今日はこの辺で
また次回をお楽しみに。


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