アンティーク家具の修復・修理に使うオイルステインについて

こんばんは。

ここ数日年賀状作りとの戦いに明け暮れていたためご無沙汰してしまいました。

さて前回はオイルステインがどういうものかをお話しましたが
今日は使い方についてお話したいと思います。

アンティーク家具を買い付ける際、大体ほこりや、汚れなどが付いています。
そのままワックスしたり、シェラックニスを塗ってはきれいになるどころか汚れを伸ばしてしまうようなものです。

まずケンマロン(ふざけた名前ですがほんとにある商品の名前です)という台所などで使うスポンジの2層になっていて片側が普通のやわらかいスポンジ、片側が薄くて少し固めのスポンジがありますよね?その硬い方だけのものがケンマロンです。
ケンマロンに限らず目の細かいものを使います。

これでアンティーク家具全体を擦って、汚れや埃、塗面が荒れているところを均します。
このケンマロンが優れものでオリジナルの塗装面をいためることなくざらざらしている表面がきれいになるのです。

そのきれいにした表面の埃等を取り除いたところでオイルステインを塗ります。
塗り終わったら完全にふき取ります。完全にふき取らないとムラになってしまうので注意が必要です。

オイルステインを入れてふき取ることで小キズが目立たなくなり、色のはげたところに色が入ったり、埃などを一緒にふき取れます。

オイルステインで色が入りきらなかったところをリタッチ(顔料とシェラックを使って色を入れることです)し、
きれいになったところでシェラックニスを塗ります。

アンティーク家具に限らず、家具は使っていれば小キズが付いてきます。
その小キズはBEESWAXやこのオイルステインを塗ってふき取ることで目立たなくすることが出来ます。

ただ前回説明したとおり家具の色、材質に合った色の濃さを使わないと傷に染み込んでしまい黒く目立ってしまうので注意が必要です。ただそれがいいという方もいらっしゃいます。感じ方は千差万別ですね。

その他には色を濃くするときにオイルステインを拭きとらずに均等にムラなく残して使う方法もあります。タンポ刷りといいます。

最初にお断りしておきますがこれはすごく難しいため一般の方では出来ません、必ずムラになります・・・
塗装において熟練の力量がないとまず無理ですので・・・

基本的な使い方は以上です。

あっ!!!危なくお話しするのを忘れてしまう所でした。

オクアンティークスでは塗装をする際、背中や底の裏側にステインまたはシェラックニスを必ず入れます。

なぜ入れるのかというとステインやニスを入れておくと何も塗装されていないものに比べて埃が付きにくくなるのです。(
これは教わったものではなく自分で発見したものです。)
見た目も背中や裏側が綺麗になっていると清潔感もあり、気持ちいいですよね!
特にアンティークは清潔感出すのが難しい商品でもあるので・・・

この一手間は結構大変で、塗料も沢山使い、時間とコストがかかるものです・・・
でもこの一手間はアンティークを皆さんに気持ちよく使っていただくためには、絶対に必要なことだとオクアンティークスでは考えています!

自宅でアンティーク家具を使っていますが無塗装のものに比べて断然ほこりが付きにくいです。豆知識でした。

言葉で書いてもいまいち分からない事が多いと思いますので
この先実際の作業を順次画像で説明していくつもりです。
お楽しみに。

さて次回ですが・・・

ナイショです。
お楽しみに。

 

 

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アンティーク家具の修復・修理の着色について

こんばんは。

本当は昨日書くつもりだったのですが
ちょっと飲みたくなり”上善如水-ジョウゼンミズノゴトシ”を飲み始めた所いい気分になってしまいそのまま寝てしまいました。
いやーうまかったです。お薦めですよ。

本題に入りましょう・・・

今回は前回お伝えしたとおりアンティーク家具の着色剤についてお話します。

アンティークの着色に使われるのは OIL STAIN (オイルステイン) という木材の着色塗料です。

成分はテレビン油と亜麻仁油に染料をといたものです。

テレビン油は前回のBEESWAXの時に出てきたのでわかりますよね?
書き忘れたことがあったのでそれだけ書かせてください。
テレビン油は漢方薬の一種として神経痛の外用塗布薬としても利用されていました。自然の力は何でもありですね。

亜麻仁油は亜麻仁(亜麻の種子)から抽出した植物性の油です。
またアトピーや乾燥肌の治療に効果があるそうです。
欧米では子供用の木製玩具の塗料には伝統的に亜麻仁油が使用されています。体に害のないものですから当然といえば当然なのかもしれませんね。

そんなオイルステインにはたくさんの色があります。

ライトオーク
ミディアムオーク
ダークオーク
ゴールデンオーク
ジャコビアン
ブラウンマホガニー
レッドマホガニー
メイプル
ウォルナット・・・・

使用するのは大体こんな所でしょうか。
それぞれ染料によって色の違いを出しています。

使用する色の選択基準は
修復するアンティーク家具の材質と現在の色から少し薄めの色を選ぶということです。
濃い色を選んでしまうと黒ずんでしまったりすることがあるので注意しなくてはいけません。
また塗装面の状態が劣化している場合は薄い色を入れたとしてもムラに入ってしまうことがあるので選択は慎重にしなくてはなりません。

オイルステインを入れることで家具の色を鮮やかに戻してくれます!

このオイルステイン欠点といえば・・・・においが結構きついのです・・・

私は何十年もこの仕事やっていますから慣れましたが、始めてかぐ方は少しいたい?です。

塗装中はにおいが結構します。
ただこのにおいもすぐとれますので安心してください。

オイルステインがどういうものか今日はお話させていただきました。

次回は

オイルステインの使用方法をお話できればと思います。
またお酒でいい気分にならないようにがんばります。

それでは

 

 

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アンティーク家具専用の蜜蝋(ビーズ)ワックスについて

こんばんは。

前回お手入れ法についてお話させていただきましたが
肝心なことを忘れておりました。

ワックスとは・・を説明するのを忘れてしまいました。
すみません。

ここでお話しするワックスとは

BEESWAX(蜜蝋ワックスとも言われます)のことです。

BEESWAXはイギリスでは伝統的に使用されてきたワックスです。
現在様々な用途のものがありますが、このワックスが一番原始的で天然素材のみで構成されたワックスです。

その成分は蜜蝋とテレビン油のみです。

蜜蝋とは羽化後の12~20日の働き蜂のロウ分泌線から分泌されたものが蜜蜂の巣の構築材となり、この巣を集めて精製したものが蜜蝋です。

なんだかおいしそうだと思うのは私だけでしょうか?・・・

テレビン油とは赤松や黒松の樹幹にキズをつけて得られるもので、これが生松脂であり、含油樹脂であり、これに水を加えて蒸留したものがテレビン油です。木からいただく命の油といった所でしょうか。

それぞれが天然素材ですから当然体に害のあるものではなくシェラックニスという天然塗料で塗装されているアンティーク家具には相性抜群なのです。

このワックスは無臭ではありませんBEESWAX特有のにおいがあります。
私は何十年もの間かいでいるので心地いいですが(というか気にならないです)はじめての方は人によって少し気になるかもしれません。ただ塗って少し1日、2日たてばほとんどにおいはしなくなりますので安心してお使い下さい。

アンティーク家具のショップには大体置いてあります。

当ショップにも常備しております!

Beeswax(蜜蝋ワックス)をお探しの方はこちら

値段もそんなに高いものではないのと1度買ってしまえば何年も使えるのでお持ちになっていたほうが良いでしょう。

ただ気をつけていただきたいのは「家具用ワックス」として市販されているもの(日本製・外国製に関わらずです)はシンナーなどの溶剤が含まれている場合がございます。溶剤が入っているものを使ってしまうと、塗装を溶かして薄くしてしまったり、シミになったりするものもあります。ご注意ください・・・

そんなアンティークには欠かせないワックス掛け・・・
もしご自分でかけるのが大変な方がおられましたら「出張メンテナンス」をさせていただきます!
お気軽にご相談ください!

また宣伝してしまい申し訳ありません。

次回は・・・

アンティーク家具に使われる着色剤についてお話しする予定です。

それでは

 

 

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