アンティークベントウッドチェア座面割れ直し

こんばんは。

今日は アンティークベントウッドチェア座面割れ直し です。

このお客様は飲食店をされている方で
そこで長く使われていたベントウッドチェアの座が割れてしまったので
それをお直しします。

このように2箇所割れています。
裏側はと言うと

それぞれこのような感じで裏まで割れてしまっています。

ベントウッドチェアの座面は表面にエンボスといわれる柄(模様)がはいっています。
その材は5ミリほどの厚みのベニヤです。

厚みが5ミリですから割れてしまっては強度を出すのが難しいのです。

まずはこの割れの奥まで木工ボンドを刷り込み、
割れをクランプと言われるはさむ器具でしっかりくっつけます。

このまま乾燥させます。

ベントウッドの座の割れはある意味致命傷です。
大破しているものは交換しなくてはいけませんが、
それ以外の割れであればやり方しだいで強度はでます。

安易に座を交換すべきではありません。

蛇足ですが、オークションなどで座面にエンボスが入っていないただのベニヤに貼られている場合があるので注意してください。

今日はここまです。
それではまた。


アンティークブックケースの仕様変更修理 その5

こんばんは。

大変ご無沙汰しておりました。
我タイガースが9連敗なんぞしておりまして・・・

だめトラに戻ってしまったのでは・・・

そんな心配を払拭するような連勝!!!
まだまだ30試合ちょっとしか経っていないのだから余裕です。
・・・と自分に言い聞かせています。

さて今日は アンティークブックケースの仕様変更修理 その5 です。

躯体の組み立てが終わったら
細かい調整を行います。


この画像は元の中央部分の側板で引き出しのレールが付いています。
これをすべて外し新たな側板に移植します。

当然この時に欠損しないように外します。
間違っても壊したり、壊れてしまったので新しく作り変えるなどという事はしません。

レールをつけて引き出しの調整を行います。

躯体を締めるときに引き出しを入れて歪まないように確認しておくことも当然必要です。
せっかく躯体を締めても引き出しが入らず、引き出しの側面を大きく削ることがないようにしなくてはいけません。

次に扉を取り付けます。

今回のブックケースの扉はガラスが非常に重いため
扉の下部が本体に擦れてしまわないように調整をしなくてはいけません。

扉が重いために、扉が下にたれてしまうのを最小限にし
本体に擦れてしまわない様に扉の丁番(ヒンジ)で調整します。

丁番での調整は扉が本体に擦れてしまっているのを修復したり、扉のフレームが反っている場合にその反りを目立たなくするために位置を微調整したりします。

丁番1つで機能と美観両方を修復していくこともできるのです。
ただすごく難しいですが・・・・

扉には鍵が付いていてその鍵の調整も必要です。

すべての調整が終わったところで
塗装の直しをします。

今回のお客様は塗装はオリジナルのままでよいと言うことでしたので
組み立てによる若干の直しのみです。

塗装のリタッチが終わったら
内部のフェルト貼りです。

黒のフェルトを扉の内部に貼ります。

これで終了です。

コンバージョン前

コンバージョン後


わかりづらいですが、お客様のご自宅に納品させていただいた写真です。

さて
内訳ですが

ブックケース解体   1.5時間
ブックケース組み立て 2時間
調整 1.5時間
塗装 0.5時間  
フェルト貼り 1時間 

実作業で6.5時間です。

料金は最初の1時間が出張料込みで8400円+28875円(5250円×5.5時間)+出張料(2回目)3000円+フェルト代3139円=43414円(税込み)です。

参考にして下さい。

お客様には大変喜んでいただけたので私もやらせていただいた甲斐がありました。

いいですね、自分がやったことで喜んでいただけるというのは。
また次にがんばろうという活力となります。
これからもどんどんお客様のお手伝いをしていきたいと思います!

今日はこの辺で
それではまた。


アンティークブックケースの仕様変更修理 その4

こんばんは。

今日は アンティークブックケースの仕様変更修理 その4 です。

割れている所や欠損している所をしっかりくっつけたら
本体の組み立てに入ります。

本体の組み立ては ダボ と言われる木の丸棒を使って接着します。

接合する面の片側にはダボを差し込み、3センチほど外側に出しておきます。
こちら側が オス です。

もう片側にはダボが入る穴のみ開けておきます。
こちら側が メス です。

3センチほど出ているダボをメスに差し込んで接合面をしっかり圧着するようにはたがねで締めます。

このとき当然木工ボンドを入れます。
ダボだけではなく接着する面もしっかりと圧着させます。

本体の躯体を締めるときには
前にもお話しましたが
歪みが出ないように、矯正しながら締めなくてはいけません。

歪みの出たまま締めてしまうと

躯体が床に置いたときにかた付いてしまうのはもちろん、もっとひどくなると見ただけでわかるほどに傾いてしまい、普通正面から見たときに四角が出来上がっているはずなのに、平行四辺形になってしまうこともあります。

こんなことしてしまう人はだめですよね。

なのでただ締めるだけ、ただ圧着させればよいと言うわけではなく
歪みを直しながら、歪みの出ないように組み立てることが必要なのです。

このままできれば一晩おいた方が良いでしょう。

歪みがあってそれを矯正しながら締めている場合、

その歪みの戻る力が強くて3~4時間ではたがねを外したときにせっかくくっつけた所が外れてしまう可能性があるのです。

躯体ががっちりくっついていることが重要ですから万全を期すため一晩置いておくことがベストです。

今日はここまでです。
また次回をお楽しみに。