アンティーク家具の脚折れ修復 その4

こんばんは。

気持ちの良い天気でしたね。
昼寝は気持ちのいいものです。
あーゆっくり昼寝がしたい・・・

本題に入りましょう。
前回はアンティーク家具の脚折れの修復部分に
オイルステインを入れるところまでお話しました。

今回はいよいよ
フィニッシュです。

脚折れの周辺をペーパーで均したり、パテを埋めた所は
オイルステインでも色が入りきりません。

そこでその部分だけ
専用の顔料(粉上の着色剤です)をシェラックニスで溶いたもので
色付けしていきます。

私はリタッチと呼んでいますが
正式には、カラーブラインディングという技法です

この顔料にはたくさんの色があります。
基本的には6種類を主体に使っていきます。
単独で使ったり、何種類かを混ぜたりしてアンティーク家具の独特の色合いを出していきます。

シェラックニスで溶く際に粉の量が多すぎると木目を消してしまう厚ぼったい塗装になってしまうので、薄く溶いたものを何度も塗り重ねるようにします。
薄く塗り重ねることによって透明感のある塗装に仕上がります。

ただ何度も塗り重ねるには乾かす時間を取らなくてはなりません。
通常シェラックニスを仕上げで塗るときはメスと呼ばれる溶剤でほんの少し薄めて塗ります。
このメスは単なるアルコールです。
アルコールは揮発性(簡単に言うと乾きやすい)が高くシェラックニスの乾燥を少し助けます。
この揮発性が高いことを利用してリタッチの際には1:1の割合でシェラックニスとメスとを入れた塗料を使用します。
そうすることで乾燥時間が短くでき何度も塗り重ねることができるのです。

リタッチ作業を終えたら
十分に乾かします。
乾いた所でリタッチ箇所をケンマロンで表面を軽く均します。
なぜ均すかというと
顔料は粉状だとお話しました。
粉をシェラックニスに溶いて塗ったのですが
乾燥すると粉のざらつきが表面に残ってしまうのです。
そのざらつきを取っておくことで仕上げのニスをこの後入れたときに
滑らかな塗面となるのです。

ただ強く擦りすぎてしまうとせっかくのリタッチが剥げてしまうので
ソフトタッチでやらなくてはいけません。

ケンマロンで軽く均したら
埃を布でふき取ります。

いよいよシェラックニスで仕上げます。

シェラックニスは刷毛に適量をつけて
むらにならないように、ニスだれしないように、かすれないように
丁寧に塗ります。

よく乾燥させたら
ワックスをかけて終了です。

ここまでの
作業のおさらいです。

折れのカット、ダボいれ     25分 
脚の締めなおし、パテ埋め    20分
ペーパー、ケンマロンでの磨き   2分
オイルステインいれ、ふき取り   2分
リタッチ             3分
ニスいれ             2分
ワックス             3分

乾燥時間は作用時間に含まれませんから
実作業で1時間です。

料金は5250円(税込み)です。

脚の折れの状態によっては時間の前後はあります。

もしこのようなアンティーク家具の脚折れの修復のご依頼がありましたら

詳しくは  http://oku-antiques.com/

ご相談は  info@oku-antiques.com

までお気軽にご相談下さい。
お待ちしております。

次回も実例をお話したいと思います。

お楽しみに


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